ゲームスタイル研究所

研究所コラム

2016.08.02

スマホゲームのテレビCMを見たユーザーの感想。(白猫・パズドラ・ツムツムなど)

こんにちは。ゲームスタイル研究所のスズキケンシロウです。

 

前回記事に続いて、今回もスマホゲームのダウンロード行動についてお話ししていきたいと思います。

 

ゲームアプリはダウンロードがオンライン上で行われることから、プロモーション活動はアドネットワーク等のオンライン広告が中心に行われていますが、下表にありますようにここ最近はストアのTOPセールスに入っているタイトルはテレビCMを放映したことがあるものが非常に多く、テレビCMがプロモーションのいち手法として定着してきています。

 

<2016年6月13日9時時点App Store売上ランキング(ゲームカテゴリ)>

TVCM_02.gif

テレビCM放映有無:セガゲームス ゲームスタイル研究所調べ

 

様々なタイトルのテレビCMが流れている中で、ユーザーはテレビCMが流れているタイトルに対してどのようなことを感じているのでしょうか。このギモンに対して、当研究所で実施した定性調査のユーザーの声から傾向を分析し、テレビCMがアプリDLに与える影響を考察していきたいと思います。

 

Q.テレビCMを通して、タイトルにどのようなことを感じている?

 

 

A.“盛り上がっているゲーム”だと感じています

 

認知につながるのはもちろんのこと、テレビCMが頻繁に流れているゲームを見ると、それに加えて盛り上がりを感じると受け取られることもあるようです。

 

"白猫プロジェクトはCMをしているので盛り上がっているかなと思った。(20代男性・大学生)""

 

パズドラは何回もCMが変わっているし、タレントも変わっているので盛り上がっていると思う。(30代女性・専業主婦)"

 

また一部の対象者からは「たくさんのテレビCMを流しているということはそれだけその会社が力を入れているタイトル」という発言もあり、おススメのタイトルとしてその企業が盛り上げようとしていると感じるユーザーもいるようです。

 

A.“信頼できる”、“ちゃんとしたゲーム”だと感じています

 

スマホゲームに関してあまり情報を知らない低関与層においては、テレビCMを見ることによって「テレビCMが流せるゲームということはちゃんとしたゲーム」という具合にそのタイトルや企業に対する信頼感が上がるという発言が複数見られました。

 

低関与層は自分から積極的にはスマホゲームについて情報収集は行わず、あまり深い知識があるわけではないので、テレビCMは信頼性の高いスマホゲームを見つける情報源として機能しているようです。

 

"自分が遊んでいるゲームのCMを見ると、しばらくサービスが続くのかなと安心感はある。(20代男性・大学生)"

 

"CMで見るとちゃんとしたところが作っているんだろうなと感じる。(40代男性・会社員)"

 

一方でスマホゲームについて日ごろから情報を集めている高関与層からは「テレビCMがたくさん出せるということはそれだけ儲かっているタイトル」という発言もあり、低関与層とは違って、ややドライな考え方をしているユーザーも見られました。スマホゲームへの関与度によってテレビCMの受け取り方が異なっているのかもしれません。

 

A.ほとんどの場合、“ゲームの中身までは伝わっていません”

 

これまで説明してきましたように多くのユーザーはテレビCMが流れているタイトルに対して、何らかのポジティブなイメージを持つようですが、その一方で“タイトル名くらいは分かったけど、中身については正直分かっていない”、“ゲームの内容については何も伝わってこない”という発言も見られました。肝心のゲームの内容についてはユーザーに伝わりきっていないケースがほとんどのようです。

 

"インパクト重視でゲームの内容が分からない。最近のスマホゲームのテレビCMは最後にスマホゲームと分かるような作り方をしていて、面白さは残るが、ジャンルもゲーム名も残らない (30代男性・会社員)"

 

"CMをしていても、どういう内容なのか、本当にスマホゲームのCMなのかということは分からず見ている。タイトルは知っていて、どっかで聞いたことがあるというだけで、アップストアを見て、これはゲームだったんだと分かる程度。CMがすごく役立っているとは思っていない (20代女性・会社員)"

 

もちろんインパクト重視で意図を持ってゲーム内容はそれ程訴求していないテレビCMもあるかもしれませんが、中にはゲーム内容が伝わってこないことについて不満を感じるユーザーもいました。15秒や30秒という限られた時間の中で内容をすべて伝えきるというのはあまり現実的でないことを考えると、他の媒体を使ってゲームの内容を伝える何らかのフォローが必要と思われます。

 

Q.テレビCMを通して、”クチコミ”が広がる影響ってあるの?

 

A.面白いテレビCMだと、友人・知人と話題にしたくなります

 

自分が好きなタレントが出演していたり、インパクトのある表現を用いたりすることによって、スマホゲーム低関与層の目にも留まり、それが認知のきっけかとなり、家族や、ファンなど身の周りの人達に伝播していくという様子が確認できました。しかし、これはあくまでテレビCMのクリエイティブに関するクチコミがほとんどで、ゲームの中身に関するクチコミではありませんでした。

 

"父はゲームを一切していないのに、松木安太郎が出ているから「おまえは白猫をやっているのか」と聞かれた。タレントって大事だなと思う。流行っているタレントが出ていると、そのタレントがそんなに好きではなくてもなんのCMかなと気になる。 (20代男性・大学生)"

 

"関ジャニの村上くんが出ていたCM(パラダイスベイ)は全局流れないというのでファンの人達と話題になった。(30代女性・会社員)"

 
またスマホゲーム高関与層の中には、特徴的なテレビCMを見ると、YouTubeにそのテレビCMやプレイ動画などを見に行くという人も見られました。コアユーザーには“もっと詳しく知りたい・調べてみたい”という欲求を刺激することにもつながるかもしれませんね。

 

 

A.自分がやっているゲームのCMだと、人に推奨しやすくなります

 

ではテレビCMを投下してもゲーム内容にまで及んだクチコミがまったく起きないかと言われると、決してそうではありません。お互いがまったく新しいゲームタイトルについて話すのではなく、どちらか片方がそのゲームを遊んでいるユーザーの場合に、テレビCMが呼び水となってゲームに関するクチコミや推奨をしているという状況のようです。具体的には以下のような発言が見られました。

 

"自分がやっているので同僚に勧めたことがある。「テレビでやっているあれだよ」と勧めたら分かると思う。配信からだいぶ経ってからテレビCMをしたので「俺はもうだいぶ進んでいるからね」と勧める。 (40代男性・会社員)"

 

"友達に「CMをやっている」1とツムツムを勧めたことがある。CMが何度もやっていると、相手も見ているだろうから、こちらがゲームの説明をしなくてもダウンロードしてくれる。(20代女性・専業主婦)"

 

テレビCMには既存ユーザーが同じゲームを身の周りの人と楽しみたいとなった時に、勧める相手にいちいち細かい説明をしなくても興味を持ってくれるというメリットがあると推測されます。

 

Q.テレビCMに対して、ネガティブな影響ってないの?

 

A.“しつこい”、“鬱陶しい”と感じることもあります

 

テレビCMの出稿にはリーチ(到達率)とフリークエンシー(接触頻度)という基本的な考え方があり、かけた費用に対して、できるだけ多くの人数に適正なフリークエンシーを確保できるようにしようと広告主や広告代理店は考えます。

 

“適正な”というのには理由があり、単純にたくさん接触させればよいという話ではなく、接触頻度が高すぎると時として「しつこい」「もういい」という具合にネガティブな印象を与える可能性もあるのです。スマホゲームのテレビCMもこの例に漏れずにこのようなネガティブな感情を持たれてしまうということもあるようです。

 

"ストーリー性があって好感度があるようなCMなら遊んでみたいと思うけど、ストーリー性もなく、ただただ同じ内容ばかり流れるとしつこい。印象が良くない人がでてくるのを何回も見ているのはしんどい。 (30代女性・専業主婦)"

 

こちらの発言にありますように、テレビCMのクリエイティブによって、“しつこい”と感じられるフリークエンシーには違いがあるようです。私自身は広告出稿に関する業務は担当したことはないですが、実に奥深い世界が広がっているようですね。

 

■結論:ユーザーの声から見るテレビCMのスマホゲームダウンロードに与える影響とは?

 

ここでまとめてみたいと思います。今回の調査結果からテレビCMのスマホゲームのダウンロードに与える影響として大きく2つのことが見えてきました。

 

①認知促進+イメージ向上効果

→信頼できる、盛り上がっているというイメージの浸透

 

②他者への波及効果

→CMそのものの話題、既存ユーザーの勧誘しやすさの醸成

 

ちなみにここまで触れてきませんでしたが、CMを見た本人が「すぐにダウンロードした」という直接的な影響については発言として一部で出てきたものの、思ったよりは多くは出てこなかった印象です。今回の調査だけで、“すぐにダウンロード”という直接的な効果は少ないとはもちろん断定できません。しかし、①②のように「間接的に」タイトルにとって何らかの良い影響があり、これがある程度の時間を経たり、友人の影響を受けたりして回りまわってダウンロードという具合に、ダウンロード数というところに少なからず影響があると当研究所では考えます。

 

スマホゲームのダウンロードに関する記事はこちらもどうぞ。

 

#01 【実録】スマホゲームをダウンロードするまで

 


<調査概要>

■調査手法        :グループインタビュー

■調査対象者      :スマートフォンゲームを利用している20-45歳一般男女

■サンプル数       :24名(5グループに分けて実施)

■調査実施日      :2015年11月

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